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セタビブログ

2019.11.22

11月23日より「奈良原一高のスペイン―約束の旅」展がはじまります。

「奈良原一高のスペイン―約束の旅」会場入口

「奈良原一高のスペイン―約束の旅」会場入口

戦後日本の新しい写真を切り開いた奈良原一高(1931-)。
11月23日(土)より始まる「奈良原一高のスペイン―約束の旅」展では、主にシリーズ<スペイン 偉大なる午後> に注目し、モノクロ写真約135点を厳選して展示するとともに、勝井三雄による写真集デザインをご紹介します。

「奈良原一高のスペイン──約束の旅」プロローグ


“プロローグ 遠い都市 ――シリーズ〈ヨーロッパ・静止した時間〉より”では、〈スペイン 偉大なる午後〉と同時期に撮影されたシリーズ〈ヨーロッパ・静止した時間〉から15点を展示しています。
重々しく、独特の遠さを感じさせるこの〈ヨーロッパ・静止した時間〉 は 、 1965年11 月の『カメラ毎日』などに部分的に掲載された後、 1967年には奈良原の初の写真集として発表され、さまざまな賞を受けて話題になりました。

1969 年には写真集としてまとめられた〈スペイン 偉大なる午後〉は、「偉大なる午後」、「フィエスタ」、「バヤ・コン・ディオス」というパートの順で進みますが、奈良原がスペインに
見出したものをより身近に理解するために、展覧会場では「フィエスタ」からご紹介します。

「奈良原一高のスペイン──約束の旅」第1章


“第1章 祭り ――シリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉より「フィエスタ」”は、北部パンプローナの牛追い祭りとして知られるサン・フェルミン祭から始まります。そして南部アンダルシア、セビーリャの春祭りとマラガの夏の祭りをとらえた作品が続きます。奈良原が深い共感を寄せた若者たちの熱気を感じてください。

「奈良原一高のスペイン──約束の旅」第2章


“第2章 町から村へ――シリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉より「バヤ・コン・ディオス」”では、奈良原がとらえた味わい深い町や村の人々の佇まいと表情をご紹介しています。

「奈良原一高のスペイン──約束の旅」第3章


“第3章 闘牛――シリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉より「偉大なる午後」”では、200頭もの闘牛を見た奈良原が心揺さぶられながら撮影した作品を展示しています。30歳を超えてまもない奈良原が自らのアイデンティティを模索する姿と、スペインの社会・文化の過渡期の状況が混淆する作品群をご堪能ください。写真集〈スペイン 偉大なる午後〉も、第3章でご覧いただけます。

写真集<スペイン 偉大なる午後>

「奈良原一高のスペイン──約束の旅」特集展示


展示会場のラストは“特集 奈良原一高と勝井三雄――『スペイン 偉大なる午後』と60 年代のコラボレーション”です。勝井三雄は、写真集〈スペイン 偉大なる午後〉のデザインを手がけたグラフィックデザイナーであり、奈良原の親友でもありました。富士紡績のカレンダーや『婦人公論』の表紙などとともに、写真集<スペイン 偉大なる午後>の外函や見返しの色の源泉となった、奈良原がスペインから持ち帰った闘牛士のマント(カポーテ)も展示しています。シリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉とは味わいの異なる、色鮮やかな展示をお楽しみください。

皆さまのお越しをお待ち申し上げます。

投稿者:世田谷美術館

2019.11.22 - 12:00 AM

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