2021.06.12
世田谷美術館美術大学通信講座②「自宅で毎日3分クロッキー」その13 〈まずは観察から〉
講師(三宅)が実際に使用している、基本3原色(+白黒)絵具
世田谷美術館では開館以来「美術大学」という約7か月に及ぶ長期講座を開講しています。新型コロナウィルス感染拡大抑制のため、開催中止となった今年は、このブログを通して「通信講座」をお送りしています。
「自宅で毎日3分クロッキー」の第13弾です。講師は彫刻家の三宅一樹さんです。
今回も、皆さんから送っていただいたクロッキーのご紹介です。今回は、比較的最近始められた方が多く、いろいろなご質問をいただきましたので、それにお応えする形でお送りいたします。
聞き手は当館普及担当の東谷です。
自宅で毎日3分クロッキー 第13回(約36分)
→「自宅で毎日3分クロッキー」をYoutubeで見るクロッキーは、描くことよりもまず、「見て観察すること」が大切です。
じっくり観察していると何かしら新しい発見があります。
発見は感動を生み、描くことでより観察が深まります。
このようにして喜びと好奇心がどんどん増えていくのです。
技術に「感心」することはあっても、「感動」するとは限りません。
「感動」はその字の如く、心で感じ揺り動かされる自らの直接体験から生まれるものだと思います。
さあ、自分の眼で観察した一本の線から始めましょう。
三宅一樹講師(三宅)が実際に使用している、基本3原色(+白黒)絵具
講師(三宅)が実際に使用している、基本3原色(+白黒…
「動画内での質問にありました、アクリル絵具の色名」
Liquitex Acrylic Regular type
・ナフソール クリムソン(透明色)
・カドミウム レッド ミディアム(不透明色)
・イエロー ライト ハンザ(透明色)(またはイエロー ミディアム アゾ)
・ブリリアント イエロー(半透明色)
・コバルト ブルー(不透明色)
・フタロシアニン ブルー(透明色)
・マース ブラック(不透明色)
・チタニウム ホワイト(不透明色)
・ジンク ホワイト(透明色)
これらを、私はまず最初に全色、小豆粒ほどパレット板に出しておきます。
足りなくなったらまた出せばよいのです。アクリル絵具は固まるので余っても問題ありません。
自然界に単独の色はほぼ存在しません。必ずパレット上で混色して、「色を探す」ことが大切です
三宅一樹:着彩クロッキー《満月図》アクリル
三宅一樹:着彩クロッキー《満月図》アクリル
夜空の満月を、これまで描いたことがなかったことに気がつきました。
単眼鏡を覗いて10-15分じっくり観察、眼に焼き付けて記憶し、すぐさまクロッキーしました。
現在はインターネットでいくらでも満月の画像を検索できますが、私は画像を見て描いたりはしません。
北斎や若冲の驚異の観察眼に、わずかばかりでも近づきたいのです。講師プロフィール
三宅 一樹(みやけ いっき)
彫刻家。1973年東京生まれ。多摩美術大学大学院博士後期過程修了、博士号取得。2003年より、世田谷美術館美術大学でデッサン・木彫などの講師を担当。
近年の個展:2016年TINA KENG GALLERY(台北)、2018年アートフェア東京(日動画廊ブース)、2019年壺中居(日本橋) など
展覧会情報
三宅一樹 木彫刻展 “聖櫃(せいひつ)”
会期:2021年6月22日(火)~7月2日(金)
時間:11:00-17:00(会期中無休)
会場:壺中居 東京都中央区日本橋3-8-5
入場無料
※社会状況においては、やむを得ず会期等が変更となる場合もございます。
お手数ですが最新情報つきましては、壺中居HP(https://kochukyo.jp) でご確認ください。
「ライアン・ガンダーが選ぶ 収蔵品展」
※三宅一樹 木彫刻作品《YOGA-逆さの氣息》が出品されております。
会期:
現在臨時休館中 2021年6月1日(火)再開〜6月24日(木)←会期延長しました時間:11:00-19:00(会期中無休)
会場:東京オペラシティアートギャラリー 東京都新宿区西新宿3-20-2
電話:
050-5541-8600(ハローダイヤル)
※お手数ですが最新情報つきましては、東京オペラシティアートギャラリーHP(https://www.operacity.jp/ag/) でご確認ください。
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C.A
投稿者:C.A
2021.06.12 - 12:00 AM