世界各地に伝わる神話や古代文明の遺跡は、時空を超えて私たちに色あせぬ感動をもたらしてくれます。古(いにしえ)より人間は自然と向き合い、また異文化と出会いながら奥深い神秘的な物語を紡いできました。それらは美術家にとっても尽きることない創作の源泉となっています。
本展では、古代ギリシャへの憧れを描き出した難波田龍起、宮本三郎、山口薫の作品、そして、利根山光人が自らマヤ、アステカの遺跡を訪ね歩き制作した拓本をご紹介します。また、間所(芥川)紗織の13メートルを超える大作《古事記より》をはじめ、日本の神話や歴史を主題とした福沢一郎、朝妻治郎、高橋秀らの現代の眼と感性によって生み出された生々しい人間的な表現を、さらにフェルナンド・ボテロやアンゼルム・キーファーらの、旧約聖書に想を得つつも作家個々の独特な表現や解釈が見られる作品をご紹介します。
彫刻家・淀井敏夫の《アラブの夜の森》は、自然に潜むある種の気配に対する畏れを、また、戸谷成雄の《森Ⅳ》は、まさに森羅万象を想起させ、自然との共生や生命の尊厳を神の存在と結びつけていく日本人のアイデンティティの一端を見るようです。イタリアの彫刻家ペリクレ・ファッツィーニの《風の中の女》もまた、人間の力が及ばぬものとの対峙を感じさせてくれます。
各地の歴史を土壌とし、多様な民族性や信仰心によって育まれてきた神話の世界を、それぞれの美術家の感性を介して味わっていただければと思います。
本展では、古代ギリシャへの憧れを描き出した難波田龍起、宮本三郎、山口薫の作品、そして、利根山光人が自らマヤ、アステカの遺跡を訪ね歩き制作した拓本をご紹介します。また、間所(芥川)紗織の13メートルを超える大作《古事記より》をはじめ、日本の神話や歴史を主題とした福沢一郎、朝妻治郎、高橋秀らの現代の眼と感性によって生み出された生々しい人間的な表現を、さらにフェルナンド・ボテロやアンゼルム・キーファーらの、旧約聖書に想を得つつも作家個々の独特な表現や解釈が見られる作品をご紹介します。
彫刻家・淀井敏夫の《アラブの夜の森》は、自然に潜むある種の気配に対する畏れを、また、戸谷成雄の《森Ⅳ》は、まさに森羅万象を想起させ、自然との共生や生命の尊厳を神の存在と結びつけていく日本人のアイデンティティの一端を見るようです。イタリアの彫刻家ペリクレ・ファッツィーニの《風の中の女》もまた、人間の力が及ばぬものとの対峙を感じさせてくれます。
各地の歴史を土壌とし、多様な民族性や信仰心によって育まれてきた神話の世界を、それぞれの美術家の感性を介して味わっていただければと思います。