硬直したソ連の社会主義体制を見直し、真に人間的な社会の建設を目ざして始まったペレストロイカの行方が、いま全世界の耳目を集めています。美術界においても、かつて弾圧を受けていた前衛美術家が脚光を浴びる一方で、有望な若い作家が次々と登場するなど、国際的にも注目されるところとなっています。
本展は、現在モスクワ郊外に建設中のツァリツィノ国立現代美術館の前面的な協力の下に、1950年代末から90年代に至るソビエト美術の流れを日本で初めて紹介しようとするものです。フルシチョフのスターリン批判に始まる、50年代から60年代の「雪どけ期」における、欧米のモダニズムを摂取した作品。70年代以降の、ソ連社会に固有なマスイメージを引用したプラトフ、コマル&メラミッドらの「ソッツ・アート」、カバコフらの概念的作品、さらには、90年代における実験的なインスタレーションまで、40作家による約80点は、いずれも生硬で教条的な公認美術とは無縁の、真に創造的なもので、ソビエト美術の豊かな未来を暗示するものと言えましょう。
本展は、現在モスクワ郊外に建設中のツァリツィノ国立現代美術館の前面的な協力の下に、1950年代末から90年代に至るソビエト美術の流れを日本で初めて紹介しようとするものです。フルシチョフのスターリン批判に始まる、50年代から60年代の「雪どけ期」における、欧米のモダニズムを摂取した作品。70年代以降の、ソ連社会に固有なマスイメージを引用したプラトフ、コマル&メラミッドらの「ソッツ・アート」、カバコフらの概念的作品、さらには、90年代における実験的なインスタレーションまで、40作家による約80点は、いずれも生硬で教条的な公認美術とは無縁の、真に創造的なもので、ソビエト美術の豊かな未来を暗示するものと言えましょう。