蔡國強は1957年中国に生まれ、‘86年よりわが国に在住、内外に作品を発表している注目すべき現代作家の一人です。絵具ならぬ火薬を使って、あるときは台地の上にあるときは屏風の上に描かれるドローイングはエネルギーと力強さに満ちています。昨年中国嘉峪関で実現された“万里の長城を1万メートル延長するプロジェクト”にみられるようにそのコンセプトは、悠久の歴史を越えて宇宙へ向けるメッセージという壮大な時空間論にもとづいています。
「混沌」展は同時期に世田谷美術館で開催される「秦の始皇帝とその時代展」に着想を得、2000年のときを超えて現代に生きるわれわれと、古代中国を結びつけようとする試みです。内容は中国の古典演劇の俳優を招いての流動インスタレーション「不老不死薬」、長さ15メートルのもわたる「延長」プロジェクトのドローイング、ほか絹布に刺繍で表現される「シルクロード」など多様な角度から構成されています。
「混沌」展は同時期に世田谷美術館で開催される「秦の始皇帝とその時代展」に着想を得、2000年のときを超えて現代に生きるわれわれと、古代中国を結びつけようとする試みです。内容は中国の古典演劇の俳優を招いての流動インスタレーション「不老不死薬」、長さ15メートルのもわたる「延長」プロジェクトのドローイング、ほか絹布に刺繍で表現される「シルクロード」など多様な角度から構成されています。