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企画展(終了)
80年代を通じ、イギリス美術は多くの個性溢れる作家たちを輩出し、国際的にも注目を集めるところとなりました。英国祭UK90の一環として開催される本展は、イギリス美術の多様な局面を概観し、90年代を展望しようとするものです。 廃品や日用品を素材に、有機的なかたちによりイメージを喚起する、いわゆるニュー・スカルプチュアの登場は80年代初めのことですが、本展にはクラッグ、ディーコン、カプア、ゴームリー、マックが出品します。絵画においても、スコットランドの風土に根ざした、叙情性と寓意性に富むキャンベル、ヴィジネフスキー、女性心理の内奥をあばき出すかのようなレゴなど、特異な才能にこと欠きません。このほか、山中や海辺で木の葉、小枝、小石などを素材に立体構成を試み、写真の形で発表するゴールズワージー、コンセプチュアルな庭園詩人フィンレイ、写真を表現メディアとしてフェミニズムの問題を追求するチャドウイックなど、イギリス美術は批判性に富む詩的精神によって、私たちに新たな発見をもたらしてくれることでしょう。
刊行物
目次「あいさつ」日本側主催者「あいさつ」ヘンリー・メリック・ヒューズ「イギリス美術は、いま―選考経過」塩田純一「序文」アンドリュー・グレアム=ディクソンカタログ「個から個へ―イギリス美術とポスト・モダニズム」帯金章郎「主観の光景―イギリス美術の80年代」塩田純一奥付編集:世田谷美術館、福岡市美術館、名古屋市美術館、栃木県立美術館、兵庫県立近代美術館、広島市現代美術館、ブリティッシュ・カウンシル、朝日新聞社発行:朝日新聞社制作:印象社©朝日新聞社 1990