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企画展(終了)
吉田善彦は天才画家速水御舟に師事した数少ない日本画家として知られています。1912年(大正元年)東京に生まれた吉田善彦は17歳頃から速水御舟門下となり、宗元絵画や日本の仏画、絵巻等の古典模写からデッサンの基本を学び、やがて御舟より「絵は心」だという教えを受けます。御舟急逝後、善彦は1940年に法隆寺金堂壁画模写事業に参加し、模写のかたわら、院展に出品を続け、64年日本美術院同人に推挙され、70年には東京藝術大学教授に迎えられます。吉田善彦の画業は善彦に「第二の故郷」と言わしめた十数年にも及ぶ大和地方との関わりから、大和の古寺を題材にするものと日本の自然が重要なテーマとなって行きます。吉田芸術の特徴は一般に吉田様式と呼ばれる古画からヒントを得た金箔を使用した独特なマチエールにありますこれは一度描いた絵に金箔のベールを被せ、その上に再び絵を描くという独自な技法で、今までの日本画にはない奥行と荘厳さをもたらすことになります。善彦の金箔の画面は陰翳の中に鈍い光を放ち、隙のない構成と相俟って古画の持つ気品をも兼ね備えた魅力的なものとなっています。本展は院展の正統派を引き継ぐ最後の巨匠といわれる吉田善彦の画業を初期から現代に至る代表作約130点にて回顧しようとするものです。
刊行物
目次あいさつ「吉田義彦論」宝木範義「永遠なる日本美を求めて―日本画家・吉田義彦が目指したもの」石井幸彦図版吉田義彦年譜吉田義彦文献目録出品リスト奥付編集:世田谷美術館、石井幸彦デザイン・制作:印象社発行:世田谷美術館©1998
ブログ
動画配信「世田美チャンネル」vol.5は、ミュージアム コレクションⅠ「気になる、こんどの収蔵品」の展示室より、吉田善彦の《薔薇》をご紹介いたします。世田谷美術館と吉田善彦の深いかかわりなど、数々のエピソードを通じて、作品の魅力をあますところなくお楽しみください。ミュージアム コレクションⅠ「気になる、こんどの収蔵品」は、6月2日より会期を延長して開催しております。2020年6月2日(火)~2020年8月16日(日)動画は一発本番で撮影しています。ノーカット、ノー編集です。※動画は音声に字幕も付けておりますので、どなたでもお楽しみいただけます。※展示室の照明の都合により、画面が暗いですが、あらかじめご了承ください。世田美チャンネル 「気になる、こんどの収蔵品」⑤(約10分)→世田美チャンネルをYoutubeで見るデジタルコンテンツ「世田美チャンネル」にもどる→こちら