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企画展(終了)
東寺は平安京の鎮護を目的として造営され、823年、弘法大師空海に下賜されました。以来、真言密教の根本道場として、また鎮護国家の官寺として、教王護国寺とも呼ばれ、1200年の歴史を経てきました。五重の塔や、縁日「弘法さん」でも有名ですが、そこに息づく文化財、美術品については案外知られていません。古くは平安京の羅城門上に置かれていたという、中国で唐時代に作られた「兜跋毘沙門天立像」、また空海が制作指導したという、立体曼荼羅を構成する講堂内21体の尊像、日本に現存する最古の彩色曼荼羅「両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅)」など、知る人ぞ知る明宝がずらり。 本展では、その「兜跋毘沙門天」「伝真言院曼荼羅」はもちろん、”弘法筆を択ばず” の諺でも知られた、弘法大師自筆の「風信帖」をはじめ、国宝29点、重要文化財88点、重要美術品1点を含む、選りすぐった170点余が公開されます。 インドを発祥の地とし、中国、チベットへも伝播した密教は、広大な宇宙観を特徴とし、今なお、人々を惹きつけてやみません。日本における密教の二大源流の一つ、真言密教を具現する造形表現と、それらが構成する空間を、ぜひ現代に生きる美として御観賞ください。
刊行物
目次ごあいさつ「東寺の歴史―教王護国寺という意識をめぐって」上島有「弘法大師の密教世界」頼富本宏図版彫刻絵画書跡工芸・考古東寺の伽藍東寺の美術彫刻絵画書跡工芸作品解説東寺略年表東寺の年中行事出品目録英文出品目録英文あいさつ奥付編集:京都国立博物館、真言宗総本山東寺、朝日新聞社発行:朝日新聞社©ASAHI SHIMBUN 1995デザイン:株式会社アノン 大向井務制作協力:株式会社福本事務所印刷・製本:株式会社便利堂