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企画展(終了)
中国内陸部、長江上流域に広がる四川盆地。1986年、その四川省都、成都に近い三星堆村で、古代の遺跡が発見されました。三星堆の名は、三つの土盛りがオリオンの星のように並んでいたことに由来しています。遺跡には、おびただしい数の青銅品、金製品、玉石器などが埋蔵されていました。目玉が筒状に大きく飛び出した巨大仮面、大胆にデフォルメされた目と鼻を持ち、金箔に覆われて沈黙する仮面群、そして高さ2.6メートルにも及ぶこれも奇怪な立人像…、次々に発掘される、従来の中国考古学の常識を覆すような謎の造形群は、考古学者をはじめ、様々な分野の人たちの関心と想像をかきたてずにはいませんでした。 今から3000年以上も前、黄河中流域に殷周王朝が栄えたほぼ同じころ、長江流域に謎の仮面王国が存在した―発見以来、あらゆる可能性が議論されてきたにもかかわらず、何らかの王国がかの地にたしかに存在したという事実以外に、実証的にはほとんどは明らかにはなっていません。したがって、その歴史的な位置づけもまた、いまだ確定していないのです。けれども、中国大陸における古代の文明は、考えられていた以上に豊かで多元的であったことが知られるようになりました。 本展は、総計約250点により、これまで秘密のヴェールに包まれていた三星堆遺跡の全貌をはじめて紹介します。
刊行物
目次「三星堆―驚異の仮面王国」稲畑耕一郎、岡村秀典、徐朝龍「三星堆遺跡と三星堆文明」陳徳安「三星堆文明をめぐる歴史的な背景」徐朝龍三星堆遺跡発掘調査略年表カタログ「三星堆文化の系譜」岡村秀典「広漢三星堆一・二号坑出土青銅器の成分と鋳造技術」曾中懋「三星堆文明における原始宗教の枠組みの特徴」趙殿増「三星堆における仮面の文化」稲畑耕一郎「三星堆文明と現代造形」宝木範義関連年表縦目仮面制作工程出品リスト奥付編集:朝日新聞社監修:稲畑耕一郎(早稲田大学文学部教授)岡村秀典(京都大学人文科学研究所助教授)徐朝龍(前国立国際日本文化研究センター助教授)馬家郁(四川省博物館館長、四川省文物考古研究所所長発行:朝日新聞社、テレビ朝日デザイン:大石一義英文翻訳:ジョン・べスター制作:大塚巧藝社©1998 朝日新聞社、テレビ朝日