[カタログ/2016年発行]
-開催概要から-
世田谷美術館は1986年3月30日、23区内でも有数の緑地である都立砧公園の一角に開館しました。建築家・内井昭蔵による木と大理石とコンクリートを組み合わせた装飾性豊かな建築空間は、当時の公立美術館のなかでもとりわけ優雅なもので、そのコンセプトは「生活空間としての美術館」です。
開館記念の「芸術と素朴」展以降、同時代の最先端の美術や古代の発掘品など幅広いテーマのもとに展覧会活動を行い、今年開館30周年を迎えました。
また、素朴派、現代美術、世田谷ゆかりの作家の3 つを柱に収集活動を続け、所蔵作品は現在1万6千点を数えるほどになります。
開館30周年を記念する本展では、フランスの素朴派を起点として、時代やジャンルを超えて作品を組み合わせ、美術と生活をめぐる5 つの物語に見立てて、コレクションをご紹介します。美術館で展示されている作品は普段の生活と切り離された特別なものと思いがちですが、その作品たちも、普段私たちが生活し時にはつつましやかな創造を楽しむことと、ひとつながりであることに気づくことになるでしょう。
開館記念の「芸術と素朴」展以降、同時代の最先端の美術や古代の発掘品など幅広いテーマのもとに展覧会活動を行い、今年開館30周年を迎えました。
また、素朴派、現代美術、世田谷ゆかりの作家の3 つを柱に収集活動を続け、所蔵作品は現在1万6千点を数えるほどになります。
開館30周年を記念する本展では、フランスの素朴派を起点として、時代やジャンルを超えて作品を組み合わせ、美術と生活をめぐる5 つの物語に見立てて、コレクションをご紹介します。美術館で展示されている作品は普段の生活と切り離された特別なものと思いがちですが、その作品たちも、普段私たちが生活し時にはつつましやかな創造を楽しむことと、ひとつながりであることに気づくことになるでしょう。
目次
「あいさつにかえて」酒井忠康
「日常への眼差しと原始の手つき」野田尚稔
図版
プロローグ
第一話 私をめぐる物語
「素朴派、その素朴性について」遠藤望
第二話 未知の文化と出合う物語
「土方久功―多様な根をもつ人」橋本善八
第三話 美術と言葉で物語る
「柚木沙弥郎のアトリエ訪問記―柚木ワールドを垣間見て」石井幸彦
「一九六〇年前後の作品に見る、駒井哲郎の内なるルドン」清水真砂
挿話 暮らしの姿
「戸棚の奥から出てきた歴史―桑原甲子雄のアマチュアリズム」塚田美紀
第四話 大きな物語のなかの私
「孤高の画家・小堀四郎―妻・杏奴と過ごした日々」矢野進
第五話 日常から始まる物語
「その犬の名は、ニッパー」杉山悦子
エピローグ
作家解説
出品作品リスト
奥付
編集:野田尚稔、遠藤望(世田谷美術館)
装幀:栗原幸治(クリ・ラボ)
校閲:高橋賢
印刷:株式会社東京印書館
発行:世田谷美術館
©2016 Setagaya Art Museum
1500円(税込)