昔々のお話です。
世の中は悪いことをする人々ばかりになったために、怒った神様は地上を洗い流す洪水を起こして、人間を滅ぼすことにしました。ですが、正しい人であるノアとその家族だけは助けようと、ノアに大きな大きな方舟(はこぶね)を作ることを命じます。そして、ノアと妻、3人の息子とその妻の計8人、それからすべての動物のオスとメス1組をその方舟に乗せるように言いました。
方舟が完成して7日後に降り始めた雨はその後40日も続き、150日のあいだ地上は水であふれました。やがて、方舟は山の上にとまりました。
ノアたちが方舟を出て、神様に感謝をすると、神様は「人を滅ぼすような洪水は二度と起こさない」と約束し、空に虹をかけたのです。
これは、旧約聖書に出てくる有名なお話です。
そして、なんとこの洪水が起こった日も聖書に記されています。ノア600歳(!)の2月17日、つまり今日です!(ただし、正確には今と暦がちがいます)
現在開催中の展覧会「器と絵筆―魯山人、ルソー、ボーシャンほか」では、このお話の一場面を描いた作品が展示されています。
フェルディナン・デスノスの《ノアの方舟の建造》です。
美しい夕焼け・・・ですが、遠くの空を見ると早くも雲行きはあやしく。
鳥たちは何を見ているのでしょう?
骨組み状態の方舟はまだまだ完成しそうにありません。
方舟を作るノアとその家族たち。(ノアと妻、3人の息子とその妻の計8人のはずですが、人間は10人いるように見えるような?)
手伝う動物たち。
ゾウ、ヤギ、サル、それぞれオスとメスがいます。もう1匹のヘビはどこにいるか見つけられましたか?
マンモス??
ドラゴン??
方舟に乗れなくて絶滅してしまった動物たちでしょうか?それともオスとメスがそろわなかったのでしょうか?
ナゾの動物シリーズ・・・ひょっとしてイエティ(雪男)、または宇宙人ですか?
遠くに見える立派な建物。バベルの塔のようにも見えます。
バベルの塔は、同じく旧約聖書のお話です。ノアの方舟よりもずっと後の時代ですが、神様に挑戦するように高い塔を作り、やっぱり神様を怒らせてしまいます。この時の罰は人間の言葉をいくつかにわけ、全世界の人が誰とでもおしゃべりできないようにする、というものでした。それまではみんな同じ言葉をしゃべっていたのですね。
作品のテーマは決して楽しいものではないのですが、嵐を前に一所懸命に人間と動物たちが協力して働く様子が細かく描かれていて、発見も多く、ツッコミ所も満載で、いつまでも見ていられる作品です。
何千年か前の「今日は何の日?」のお話でした。
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