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企画展(終了)
戦後の混沌のなか、多くの芸術家たちが、「前衛」を標榜した熱き時代、草月流の初代家元、勅使河原蒼風(1900〜79)は従来の「いけばな」を革新し、彫刻や、絵画や書といった他領域へも越境して、独自の表現を展開。さらに国内外の諸芸術家とも広く交流し、多くの才能を抱きこんで、「草月」という名の文化風土を時代のなかに深く浸透させていきました。それは華道界のみならず、戦後日本の文化史全般に計り知れない影響を残したといっていいでしょう。本展では、その多彩な作品群とともに、蒼風が収集した国内外の美術品や、関連資料・写真などを織りまぜて展示し、「異色の前衛」蒼風を軸に、戦後の激動の時代を検証します。
刊行物
目次〔第1巻〕ごあいさつ「創造的カオスの中に」大島清次「蒼風を見つける時間」勅使河原茜はじめに 企画構成と内容について第1部 蒼風作品と蒼風コレクション第1章 前衛いけばな運動:これが「いけばな」か?コラム1 重森三玲らの「新興いけばな宣言」(1933年)コラム2 美術家たちの「ビギナーズ・いけばな」第2章 焦土と屑鉄彫刻:モダンアートの実験精神コラム3 ピカソ礼讃:ニューヨークで《ゲルニカ》を見る第3章 「APN」と実験工房と:構成的作品と写真コラム4 写真への関心:蒼風撮影の写真コラージュ第4章 有機的彫刻の饗宴:超現実の世界コラム5 シュルレアリストとの親交:カダケスのダリ邸訪問第5章 創作の原風景 1:オブジェに憑かれてコラム6 特殊技法の彫刻:樹塊を金属板でくるむ第6章 表現主義的・抽象的:アンフォルメル・具体との共振コラム7 マチウとサムの壁画制作:旧草月会館ホール第7章 コラージュを遊ぶ:子供のような眼と手でコラム8 マチスに寄せて:コラージュに花をいける第8章 日本の美・再発見:伝統と革新のはざまでコラム9 鉄斎先生:富岡鉄斎への憧憬と信奉第9章 創作の原風景 2:富士に憑かれてコラム10 富士に遊び、詠み、語り、描く第10章 巨大彫刻と大書:インスタレーションコラム11 伊勢神宮の巨大いけばな《摩天》(高さ30m)第11章 コラボレーション:「草月」という名の文化風土コラム12 草月の機関誌:『草月』『いけばな草月』などコラム13 草月アートセンター(SAC)の活動コラム14 海外における作品発表(主要個展・グループ展)第2部 蒼風と時代をめぐる22の断章再録文献「對〔対の旧字〕談 華道とオブジエ」(1938年、抜粋)勅使河原蒼風、福〔福の旧字〕沢一郎「オブジェの発見」(1953年)瀧口修造「華やかな装いと抽象の力強さ」(1953年)長谷川三郎「造形か生活芸術か」(1955年)針生一郎「いけばなと造形芸術」(1957年)瀧口修造「或る邂逅」(1959年頃)ミシェル・タピエ、訳:芳賀徹「蒼風の空間」(1959年頃)富永惣一「勅使河原蒼風が試みた現代彫刻」(1963年)中原佑介「勅使河原蒼風の彫刻」(1967年)今泉篤男「芸術家、勅使河原蒼風氏について」(1977年)イサム・ノグチ「持ち去られた“憂愁”」(1979年)岡本太郎「現代美術の中の蒼風」(1979年)針生一郎書き下ろし「「抽象と幻想」再訪 蒼風のオブジェいけばな《群れ》(1953年)をめぐって」松本透「美術文化協会と草月流 「第11回展」(1951年)への参加をめぐる蒼風の態度」藤井亜紀「共同制作「APN」蒼風の屑鉄アッサンブラージュと大辻〔しんにょうの点が一つの辻の字〕清次の写真について」手塚美和子「「或る邂逅」 勅使河原蒼風とミシェル・タピエ」加藤瑞穂「「線と塊と」書からみた勅使河原蒼風」天野一夫「戦後日本美術の海外進出と蒼風の活動 50年代の動向を中心に」光山清子「インスタレーションの観点からみた蒼風の活動 いけばなの芸術化の過程の中で」出原均「建築と蒼風 三番町草月流講堂と赤坂旧草月会館:新たな空間と環境」高島直之「いけばな作家・勅使河原蒼風と中川幸夫の原点 前衛いけばな時代の作品集をめぐって」川浪千鶴「勅使河原蒼風とメディア」正木基出品作品一覧奥付〔第1巻〕企画構成:世田谷美術館編集:遠藤望、杉山悦子(世田谷美術館)編集協力:野田尚稔(草月美術館)、磯部晶子(財団法人草月会資料室)、光山清子翻訳:伊藤治雄校閲:岩田高明デザイン:桑畑吉伸制作:美術出版デザインセンター(今村裕)印刷:大日本印刷株式会社発行:世田谷美術館、財団法人草月会 ©2001目次〔第2巻〕展覧会・会場記録「蒼風とは、いったい何者だったのか? 現象としての「蒼風」とその時代性」杉山悦子「看花環看花 勅使河原蒼風の作品と空間」野田尚稔第3部資料編蒼風著述再録「新興日本のいけばな」(1935年執筆、1937年刊行)「夜の魚」(1942年)「術と道〔しんにょうに点が二つの道の字〕」(1948年、抜粋)「草月会の主張」(1956年)「偶然」(1963年)「古事記」(1966年)「花器のないいけばな、創作の花器や新しい素材のいろいろ」(1966年、抜粋)「草月が生んだ新造形、新しい彫刻やオブジェなど」(1966年、抜粋)「関連年譜」編:遠藤望、中島理壽「蒼風とその時代 年譜から現れる蒼風像と昭和」遠藤望「文献目録」編:中島理壽「勅使河原蒼風文献目録を編んで」編:中島理壽Photo Credits奥付〔第2巻〕企画構成:世田谷美術館編集:遠藤望、杉山悦子(世田谷美術館)編集協力:野田尚稔(草月美術館)、磯部晶子(財団法人草月会資料室)、光山清子翻訳:伊藤治雄校閲:岩田高明デザイン:桑畑吉伸制作:美術出版デザインセンター(今村裕)印刷:大日本印刷株式会社発行:世田谷美術館、財団法人草月会 ©2001〔2巻セットで刊行〕