(5件)
企画展(終了)
日本の現代写真史に深くその名を刻む写真家・濱谷浩(1915-1999)。15歳でカメラを手にして以来、生涯にわたり独自の写真哲学を築いてきたその作品は、対象に寄り添いつつも常に客観的態度に貫かれ、ときに鋭いメッセージを私たちに投げかけます。本展は、濱谷の活動前半期にあたる1930年代から60年代の仕事に注目し、全5章の構成によって、その出発点から転換期までを辿るものです。早くから日本の風土に目を向け、民俗学的な視点から地方風俗を記録することに力を傾けた濱谷は、やがて社会的な使命感をもって、自らが対峙した現実を写真の力で伝えていくことに心血を注ぎます。その後、グローバルな活動を展開することとなる濱谷浩が、いかにしてその信念と姿勢を確立していったのか、ゆるぎない足跡を追います。
イベント(終了)
『濱谷浩写真集成 地の貌・生の貌』(岩波書店、1981年)などの編集に携わり、濱谷浩を間近に知る多田亞生氏に、その人物像や生前のエピソードについてお聞きします。
イベント(終了)
今日のわたしはどんな感じ?ありのままのわたしを写真に記録して、マグネットにします。写真は全身でも部分でもOK。今日の記録メモが記入できる台紙付。
ミュージアムショップ
目次序論篇「時代の渦」濱谷浩「あいさつにかえて―濱谷浩氏と歩いた街角」酒井忠康「地域に文化の芽をまく―高田の濱谷浩」徳永健一「一貫した真摯な姿勢」野町和嘉写真篇〔各章に濱谷によるテキスト(再録)あり〕第1章 モダン東京第2章 雪国第3章 裏日本第4章 戦後昭和第5章 學藝諸家解説篇「濱谷浩の半世紀―『潜像残像』から読み解く「写真家・濱谷浩」」藤田裕彦「福縁そして陽の名残り」多田亞生資料篇「年譜」編:加藤絢「主要文献」編:多田亞生、片野恵介作品リスト奥付執筆:濱谷浩、酒井忠康、徳永健一、野町和嘉、藤田裕彦、多田亞生、加藤絢、片野恵介編集:多田亞生、澤田佳三、加藤絢、野田尚稔、片野恵介、江水彰洋デザイン:熊谷博人、望月文子発行者:岩原靖之発行:株式会社クレヴィス2015年7月4日第1刷印刷製本:文化堂印刷株式会社 HBP-700Hiroshi Hamaya Photographs:©2015 Keisuke Katano/Estate of Hiroshi Hamaya, Oiso, JapanISBN978-4-904845-57-8 C0072
ブログ
ゲスト:多田亞生氏 (本展監修者・編集者)ナビゲータ:竹内まゆ(当館学芸員)開催中の展覧会「生誕100年 写真家・濱谷浩」に関連して、本展監修者の多田亞生(ただつぐお)氏にお越しいただきました。ゲストの多田氏は生前の濱谷浩と交流があり、その作品、そして人物の魅力をよくご存知の方です。今回は、濱谷浩との知られざるエピソード、写真表現の魅力、また展覧会のみどころなどについて、多田氏ならではの視点からお話をお聞かせいただきました。「ものを記録する、整理する能力が抜群」、「戦前・戦中・戦後、ゆるがない視線を持ち続けた」、「写真を撮る以前に、人と交わり、本を読むなどして自分の思想、考えをつくり、それをもとにしてシャッターを押したいと思うものを写真化していくことが自分の仕事だと語っていた」など、多田氏の濱谷浩を語る言葉には、濱谷浩とその作品の魅力を知る多くの手がかりがあります。「生誕100年 写真家・濱谷浩 ― もし写真に言葉があるとしたら」展は、11月15日まで開催しております。この機会に是非ご覧ください。※セタビPodcastingについて