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企画展(終了)
志村ふくみは、現代日本の染織分野に独自の世界を展開する卒寿を超えてなお現役の染織家です。1924(大正13)年、滋賀県近江八幡市に生まれ、母・小野豊の影響で、織物を始めました。1957(昭和32)年の第4 回日本伝統工芸展に初出品で入選し、その後も受賞を重ねます。そして、1990(平成2)年には、紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。草木からの自然染料で染められた糸によって織り上げられた作品は、多くの人を魅了し、国際的にも高く評価されています。「民衆の知恵の結晶である紬の創作を通して、自然との共生という人間にとって根源的な価値観を思索し続ける芸術家」として、2014(平成26)年に第30 回京都賞(思想・芸術部門)を受賞し、2015(平成27)年には文化勲章を受章しました。京都国立近代美術館(2016年2月2日‐3月21日)、沖縄県立博物館・美術館(2016年4月12日‐5月29日)に続く巡回展の最終会場となる本展は、東京において、志村ふくみの作品が初めて本格的に紹介される機会となります。代表作を中心に、初期の作品から最新作までを一堂に展示することで、60 年におよぶ創作の歩みを紹介するとともに、志村ふくみの魅力とその芸術の核心に迫ります。世田谷美術館では、当会場のための新作2 点も発表されるほか、特別展示としてゲーテやシュタイナーの色彩論につながるコーナーを設けます。
ミュージアム コレクション(終了)
先人たちの技と心を受け継ぎつつ、新たな表現に挑戦する漆、金工、染織の工芸作家たちの作品を、当館の収蔵品を中心にご紹介します。出品作家は、漆工芸作家の関野晃平(1943-2014)と小栁種国(1944-)、親子で金工作家の道を歩む大須賀 喬(1901-1987)と大須賀 選(1931-)、そして井尾敏雄(1908-1994)と井尾建二(1945-)、染織の柳 悦孝(1911-2003)、山田 貢(1912-2002)、柚木沙弥郎(1922-)、志村ふくみ(1924-)、寺村祐子(1937-)、出口普子(1939-)、大槻圭子(1943-)、山縣百合子(1944-2009)大澤美樹子(1946-)の15名の工芸作家です。長い歳月を重ねて、人々の暮らしのなかで作られてきた工芸作品には、多くの先人たちの美意識や知恵と工夫が蓄積されています。本展では、こうした先人の心や技を受け継ぎながら、今日の生活や美意識を反映させた新たな作品づくりに取り組み、現代、そして次世代へと工芸の美を繋いでいく作家たちの作品をご堪能いただければ幸いです。 またコーナー展示では、「能面師 入江美法の世界」として、世田谷ゆかりの彫刻家で能面師として知られる入江美法(1896-1975)の能面や彫刻及び入江美法ゆかりの作品を紹介します。※本展関連企画の講演会には、すべて手話通訳が付きます。
イベント(終了)
イベント(終了)
玉葱からはどんな色が?爽やかな水色はどんな植物から生まれるのでしょう?お話と作品鑑賞後、子どもと大人がペアになり、一つのオリジナル作品を作ります。志村ふくみの工房で、植物を使って染められた貴重な糸を台紙に貼り、そこからイメージされる言葉と色によるコラボレーションを楽しみます。
イベント(終了)
志村ふくみが若き日に書き下ろした短編「美紗姫物語」。戦時下、空襲を恐れながら無我夢中で綴ったという美しくも波乱に満ちた神話的な世界が、笠井叡と天使館による舞踏とオイリュトミーをとおして、今秋あらたに蘇ります。チラシPDF
イベント(終了)
世田谷美術館のシンボルツリー、樹齢150年を超えるオオクヌギで、スカーフを染める体験ワークショップ。
イベント(終了)
糸をタテとヨコに組み合わせて、ミニ織物を作ります。
刊行物
目次あいさつ「母衣(ルビ:ボロ)への回帰」志村ふくみ「色の精霊たち」石牟礼道子 「『色』と『織』の詩人―志村ふくみ」高階秀爾 図版「志村ふくみの軌跡」松原龍一 志村ふくみ略年譜出品リスト奥付編集:松原龍一、平井啓修編集補助:尾形絵里子、鈴木彩希(京都国立近代美術館)執筆:志村ふくみ、石牟礼道子、高階秀爾、松原龍一デザイン:大向デザイン事務所(大向務、坂本佳子、市川真莉子) 翻訳:クリストファー・スティヴンズ印刷:能登印刷株式会社発行:京都国立近代美術館発行日:2016年2月1日第1刷©京都国立近代美術館 2016ISBN978-4-87642-205-0
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ゲスト:井尾建二(金工作家・日本工芸会正会員[金工部元会長]、武蔵野美術大学元講師、青山彫金金工スクール主宰)聞き手:村上由美(本展担当学芸員)世田谷美術館で、2020年4月12日まで開催中のミュージアム コレクション「受け継がれる工芸の技と心――そして現代へ」に関連し、出品作家のお一人で金工作家の井尾建二氏に金属という素材の面白さ、魅力、そして日本の伝統的な金工技法の特徴などについてお話しいただきました。※なお、新型コロナウイルス感染症の拡大状況などによっては臨時休館する場合がございます。何卒ご了承ください。※セタビPodcastingについてデジタルコンテンツ「セタビPodcasting」にもどる→こちら
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ゲスト:志村洋子氏 (染織家・志村ふくみ氏長女)ナビゲータ-:清水真砂(当館学芸員)開催中の企画展「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰」に関連し、ご自身も染織家で、志村ふくみ氏のご長女の志村洋子氏のインタビューをお届けいたします。志村洋子氏は、草木の自然染料で糸を染めて織り上げる、紬織の重要無形文化財保持者の染織家、志村ふくみ氏のご長女です。志村ふくみ氏とともに、染織の仕事を長年続けていらっしゃる洋子氏に、娘として、また、同じ染織の道を歩む同士としてのお立場から、志村ふくみ氏の染織に対する姿勢、その世界の奥深さなどのお話を伺います。企画展「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰」は、2016年11月6日(日)まで開催しています。この機会に是非ご覧ください。※セタビPodcastingについて
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現在開催中の企画展「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰」は、会期途中で大幅な展示替を行います。全体約100点の作品のうちの約半数が前期(10月10日[月・祝]まで)と後期(10月12日[水]から)で入れ替わります。 『源氏物語』をテーマにした作品群も前期、後期で総入れ替えになります。桐壺や若紫などに象徴される紫の色など、平安時代の貴族の色彩感覚が物語の人物像の描写に深く関わっているこの物語の各帖を、草木で染めた糸で織られた着物で表現した作品です。前期は、「篝火」「夕顔」「橋姫」(写真上段左より)、「鈴虫」「蛍」(写真下段左より)が、後期は、「半蔀」、「若菜」、「賢木」、「明石の姫」、「野分」、「若紫」が展示替えとなります。前期展示は10月10日までなので、まだご覧頂けていない方はお見逃しないよう、ご来館をお待ち申し上げます。そして、既にご覧くださった方も、後期展示も是非、ご高覧いただければ幸いです。会期中、リピーター割引として、受付で有料チケットの半券をご提示いただければ、団体割引料金でご覧いただけますので、ご利用ください。
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9月10日から開催の「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰」の会場の冒頭には、展覧会のために制作された新作で、チラシなどのメインイメージに掲載している《母衣曼荼羅》が展示されます。高さ約4メートルの大作は圧巻で、ぜひ会場でその迫力に対面してください。そして、その周囲には、絹糸を植物で染めた12色の着物が並びます。植物から、こんなに鮮やかで華やかな色が生まれるのかと思うような発色の冴えた色から、味わい深い重厚な色まで、その多様性に驚かれるのではないでしょうか?印刷などでは決して再現することができない、微妙で、力強い色、植物から生まれた色の豊かさを会場でご体験いただけるでしょう。京都国立近代美術館、沖縄県立博物館・美術館に巡回した本展は、世田谷美術館が最後の会場になります。今回世田谷での展覧会は、さらなる新作2点とゲーテの色彩論をテーマにしたコーナーが新たに加わりました。ぜひ、皆様のご来場をお待ちしております。