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企画展(終了)
世田谷美術館は1986年3月30日、23区内でも有数の緑地である都立砧公園の一角に開館しました。建築家・内井昭蔵による木と大理石とコンクリートを組み合わせた装飾性豊かな建築空間は、当時の公立美術館のなかでもとりわけ優雅なもので、そのコンセプトは「生活空間としての美術館」です。開館記念の「芸術と素朴」展以降、同時代の最先端の美術や古代の発掘品など幅広いテーマのもとに展覧会活動を行い、今年開館30周年を迎えました。また、素朴派、現代美術、世田谷ゆかりの作家の3 つを柱に収集活動を続け、所蔵作品は現在1万6千点を数えるほどになります。開館30周年を記念する本展では、フランスの素朴派を起点として、時代やジャンルを超えて作品を組み合わせ、美術と生活をめぐる5 つの物語に見立てて、コレクションをご紹介します。美術館で展示されている作品は普段の生活と切り離された特別なものと思いがちですが、その作品たちも、普段私たちが生活し時にはつつましやかな創造を楽しむことと、ひとつながりであることに気づくことになるでしょう。
企画展(終了)
パリの入市税関に22年間勤めながら、幻想的な独自の世界を創造したアンリ・ルソー。日本にも多くのファンをもつ“税官吏ルソー”の作品4点を出発点に、ルソー以降、世界中で見出された「素朴派たち」、そして心の中に深い闇を抱えながらも、創作に生きる意味を見出した「アウトサイダーたち」の作品を展示します。特に美術の専門教育を受けず、ただ描きたいという強い衝動によって創作を行った素朴派やアウトサイダーたちは、どのような経緯で作品をうみだすに至ったのでしょうか。本展では、開館以来、素朴派とアウトサイダー・アートに注目してきた世田谷美術館のユニークなコレクションによって、何が彼らを創作に導いたかをさぐります。「余暇」「晩年」「放浪」「心の中」などのキーワードをもとに、関連する近現代の作品も合わせて約140点を展示。美術を専門とするわけではなく、ごく普通の日常生活をおくる私たちにとって、美術とともに生きるとは何かを考える企画です。
企画展(終了)
「夢」をキーワードに、ルソーの魅力とその影響を探る 世田谷美術館は、今年開館20周年を迎えます。1986年に「芸術と素朴」展をもって開館。以来、芸術における素朴なるもの、ひいては芸術における初心とは何かを問いかけることを活動の核としてまいりました。この秋、世田谷美術館では、20周年を記念して、活動の象徴的な存在ともいえるアンリ・ルソーを正面からとりあげる企画展を開催いたします。この不思議な魅力にあふれる画家の世界をご紹介すると同時に、アンリ・ルソーが私たち日本人にどのように捉えられてきたのかを検証し、ご紹介する企画です。素朴なる一老画人の見た夢は、いかにして日本にたどり着き、現在の私たちの心に触れるのでしょうか。そして、ルソーの夢は、日本の芸術家たちにどのような夢を描かせたのでしょうか。本展においては、第1章で日本のコレクションに入ったルソー作品、第2章でルソーに続き、素朴派の発掘の端緒を開いた「聖なる心の画家たち」の作品、第3章で日本近代の画家・写真家とルソーの関わり、そして終章として、現代作家とルソーをそれぞれ紹介展示いたします。ルソーの人と作品が内包する「夢の力」を多くの皆様にご鑑賞いただければ幸いです。
企画展(終了)
正規の美術教育を受けていない人々、とりわけ精神を病んだ人々や霊的能力に優れた幻視者たちの造形作品は、美術界のあらゆる制度の外側で生み出されたものです。それは魂の奥底から発せられた切実な叫びであるがゆえに、観る人の心を揺さぶります。これら「アウトサイダー」の美術は、クレー、ダリ、エルンスト、デュビュッフェ、ペンク、バゼリッツ、ボルタンスキーなど、20世紀美術の巨匠たちにも大きな刺激を与え、今日の美術の重要な底流を成しています。本展はこの「アウトサイダー」の美術と20世紀美術を並べ、両者のパラレルな関係を比較考察しようとする、世界でも初の試みです。本展は昨秋、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムでオープンしましたが、マドリッド、バーゼルと巡回した後、世田谷美術館で開催されます。「アウトサイダー」の美術125点、20世紀美術75点に加え、日本のアウトサイダーの作品10数点も展示され、人間にとって芸術とは何かを根源から問うことになります。
企画展(終了)
絵画といえばアカデミズムが主流を占めていた19世紀末に、市井の曜日画家でしかなかったH.ルソーの絵が突然注目されたことは当時の人々にとって大きな驚きでした。その後20世紀に入ってアフリカやオセオニアの造形が「発見」され、これがさらに進んで子供たちや知的障害を持つ人たちの表現活動の評価につながっていったことは周知の通りです。こうした一連の今日プリミティブ・アートと総称される造形は西欧近代美術に多大な影響を及ぼし、やがてプリミティヴィズムという今世紀を貫く巨大な流れへと結実しました。 当館の所蔵品を中心とする本展は、こうしたプリミティヴ・アートの発見からプリミティヴィズムの展開への道のりを歴史的に跡づけて、プリミティヴィズムの歴史的な意義と位置付けを改めて問い直そうとするものです。
企画展(終了)
世田谷美術館の収集作品は、現在2,000点を越しています。これら収蔵品は、常設展示場に常時展示しておりますが、比較的広いスペースをもってしても、とうてい全部を一時期に並べるわけにはいきません。また、これだけの数の美術品を収蔵しておりますと、当館の収蔵品だけによる企画展を計画することもできます。そうした収蔵品による企画展は、大規模展・小規模展ふくめて、おりにふれ今後たびたび開いてゆきますが、今回はその最初の大規模展として、素朴派の画家の作品を中心にした、展覧会を開きます。アンドレ・ボーシャン、カミーユ・ボンボワ、オルネオーレ・メテルリなどの作品のなかから、開館記念展に出品できなかったものを展示いたします。あわせて、ジョルジュ・ルオーの版画集「サーカス」を展示します。これらは、ルオー自身がパステルや墨で加筆し、校正し、さらに刷り師への指示を書き加えている、貴重な作品です。しかも、公刊された作品のほかに、未発表の2点も含まれています。世界中に唯一つ残された、幻の「サーカス」であるといえましょう。
企画展(終了)
はるかなる国-ユーゴスラヴィアユーゴスラヴィアは、地図で捜してみれば、アドリア海をはさんで、イタリアの対岸であるにもかかわらず私達にとっては、はるかなる遠い国といえるでしょう。その国の風景を、その国の人々を、私達は十分知っているとはいえません。しかし、一度この国の風物に接してみると、誰もがふしぎななつかしさを感じるのではないでしょうか。この国のハンガリーとの国境に近い小さな村、フレビネを中心に生まれた素朴絵画は、今日、非常に高い評価を受けています。独特な色彩、精密な描写、ガラス絵というユニークな技法など、農村に暮らす人々が描いたとは思われないような表現力がその魅力のひとつであることもまちがいありません。しかし、彼らの描く、森や丘、村の生活、あるいは、夢や物語のイメージが、はるかな国から空間と時間を超え、私達に語りかけてくる言葉こそ、ユーゴスラヴィア素朴絵画の最大の魅力です。6つの共和国からなり、5つの民族が住み、4つの言葉をもつユーゴスラヴィアは、またその国土も大変変化に富んでいます。したがって、この国の素朴絵画も実に様々な表情をもっています。本展は、その中から、11人の代表的な作家を選び、日本で初めてまとまった形でユーゴスラヴィアの素朴芸術を紹介しようとするものです。
企画展(終了)
今世紀の初め、パリの画壇に、みずからの楽しみのために独学で創作した日曜画家、アンリ・ルソーが登場しました。素朴な心情を表現した彼の作品は大きな注目を集め、続いて、ボーシャン、ボンボワなど、いわゆる「素朴派の画家たち」が現れてきました。彼らの作品は、自己流の描きかたながら、色彩の扱いが繊細で美しく、心の真実を率直に訴えており、その評価を高めていきました。これらの作品の素朴な味わいは、原始美術や民族美術、子どもの美術等にも通じるものがあります。また、ピカソ、ゴーギャンらの近代・現代の巨匠たちの作品にも、‶素朴‴を意識して作られた、優れたものがあります。これらは、いわば「芸術における初心の大事さ」を物語っているといえましょう。この展覧会は、このような「芸術における初心」を、古今東西にわたって、広く研究してみようとするものです。
イベント(終了)
展示作品を使って、演劇の初めの一歩を踏み出すシリーズ。美術と演劇、どちらの初心者も大歓迎。
イベント(終了)
これまでに開催した100円ワークショップ全60種から、人気の企画を「名作」と銘打って週替わりで3種類ずつおこないます!◇プログラム・スケジュールは、以下のチラシをご覧ください。チラシPDF
イベント(終了)
人間はなぜ絵を描くのでしょう。絵を描くということについて、チンパンジーと人間の子どもの発達過程を比較する研究から見えてきたものとは。
イベント(終了)
「こころの病」とともに生きる人々の悲喜こもごもを描き出した、鮮烈なドキュメンタリー。岡山県の小さな精神科診療所、そこで働く老医師やスタッフ、通ってくる人々の日常を追いながら、私たちの社会における精神の「病」とは何か、誰がどのように「病」を決めているのか、「病」を生きるとはどういうことかを静かに問いかけます。英語字幕つきの上映です。上映作品:『精神』(監督:想田和弘、2008年、135分、英語字幕つき)※上映後、想田和弘監督によるトークを行います。こちらもぜひご参加ください。
イベント(終了)
小さなお子さんと一緒に、ボーシャンの作品《花》を五感で楽しむプログラム。
イベント(終了)
ルソー作品3点をテーマに、1作品10分程度のオリジナル劇を作品の前で上演します。地元用賀出身の若者たちを中心にしたアマチュア劇団が、ルソーや作品の逸話を織り交ぜながら一風変わったギャラリートークを展開。
イベント(終了)
ピカソがルソーのために催した夜会になぞらえて、美術と音楽がジャンルを超えて共演。第1部はルソー作曲のワルツ「クレマンス」とモーツァルトの響きを演奏家のお話を交えながら聴きます。第2部は飲み物と軽食つきの夜会。音楽の余韻とともに出演者との対話を楽しみましょう。 ※プログラムおよび出演者は予告なく変更される可能性があります。
イベント(終了)
好きな人、親しい人、尊敬する人…。その人を表すにはどんな場所がいい?どんな服装がいい?心の中に思い描いて肖像画を描こう。作品は、展覧会会期中、館内のスペースにて展示します。
イベント(終了)
ユーモアあふれる日本語の達人が、世界をざっくりと描く生きた芸術について語ります。
イベント(終了)
どなたでもその場で気軽に参加できる工作など。「動くルソー人形」他
イベント(終了)
ふんわり浮かぶ夢のような作品をもとに、ダンスをつくりませんか?踊ったことのない人でも大丈夫!発表会は閉館後の「誰もいない美術館で」行います!
イベント(終了)
100円でルソーの作品をイメージしたカード、カンバッチなど、その場で参加して作ることができます。
イベント(終了)
『アンリ・ルソー楽園の謎』などの著書のあるルソー研究の第一人者、岡谷公二氏による講演会。
イベント(終了)
世田谷美術館に見たこともない夢のジャングルが出現!!ルソーの夢見たジャングルを立体で作って、絵の中にはいってみよう!
ミュージアムショップ
目次「あいさつにかえて」酒井忠康「日常への眼差しと原始の手つき」野田尚稔図版プロローグ第一話 私をめぐる物語「素朴派、その素朴性について」遠藤望第二話 未知の文化と出合う物語「土方久功―多様な根をもつ人」橋本善八第三話 美術と言葉で物語る「柚木沙弥郎のアトリエ訪問記―柚木ワールドを垣間見て」石井幸彦「一九六〇年前後の作品に見る、駒井哲郎の内なるルドン」清水真砂挿話 暮らしの姿「戸棚の奥から出てきた歴史―桑原甲子雄のアマチュアリズム」塚田美紀第四話 大きな物語のなかの私「孤高の画家・小堀四郎―妻・杏奴と過ごした日々」矢野進第五話 日常から始まる物語「その犬の名は、ニッパー」杉山悦子エピローグ作家解説出品作品リスト奥付編集:野田尚稔、遠藤望(世田谷美術館)装幀:栗原幸治(クリ・ラボ)校閲:高橋賢印刷:株式会社東京印書館発行:世田谷美術館©2016 Setagaya Art Museum
ミュージアムショップ
目次「アンリ・ルソーから始まる世田谷美術館の素朴派およびアウトサイダー・アートのコレクションについて」遠藤望カタログ1. 画家宣言―アンリ・ルソー2. 余暇に描く3. 人生の夕映え4. On the Street, On the Road 道端と放浪の画家5. 才能を見出されて―旧ユーゴスラヴィアの画家6. 絵にして伝えたい―久永勉7. シュルレアリスムに先駆けて8. アール・ブリュット9. 心のなかをのぞいたら10. グギングの画家たち作家解説作品リスト奥付編集・執筆:遠藤望、加藤絢デザイン:馬面俊之制作:リーヴル発行日:2013年9月14日発行:世田谷美術館Setagaya Art Museum ©2013
刊行物
目次「「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」について」酒井忠康「ルソーの1世紀―アンリ・ルソーと日本の近・現代美術」遠藤望カタログI ルソーの見た夢II 素朴派たちの夢III ルソーに見る夢日本近代美術家たちとルソー(1)洋画日本近代美術家たちとルソー(2)日本画日本近代美術家たちとルソー(3)写真IV 現代のルソー像「清澄な夢―松本竣介とアンリ・ルソー」村上博哉「アンリ・ルソー憧憬―植田正治と日本光画協会の写真家たち」蔦谷典子「アンリ・ルソー年譜」編:石崎尚「展覧会関連年表」編:石崎尚「参考文献」編:髙嶋雄一郎出品目録奥付編集:世田谷美術館、愛知県美術館、島根県立美術館、東京新聞執筆:酒井忠康、遠藤望、髙嶋雄一郎、石崎尚、村上博哉、蔦谷典子、柳原一徳翻訳:マーサ・マクリントックデザイン:梯耕治制作:印象社発行:東京新聞、NHK、NHKプロモーション著作権:世田谷美術館、愛知県美術館、島根県立美術館、東京新聞、NHK、NHKプロモーション ©2006〔英訳を収録した別冊あり:© 2007 Setagaya Art Museum〕
刊行物
目次 なし奥付編集:世田谷美術館制作:美術出版デザインセンター発行:世田谷美術館©1994
刊行物
目次あいさつ「プリミティヴィズムの系譜」川口幸也図版I. サロンの画家たちII. フランスの素朴派III. 民族美術IV. 知的障害者の絵V. 子どもの絵VI. 様々な国の素朴派の画家たちVII. プリミティヴィズム作家解説関連年表作品リスト奥付編集:世田谷美術館制作:集巧社©世田谷美術館、1993
刊行物
目次ごあいさつ「序」マリヤン・スソヴスキカタログイヴァン・ゲネラリッチ、エメリック・フェイェシュ、イヴァン・ラブジン、マティヤ・スクリェニ、ミーヨ・コヴァチッチ、ヨシップ・ゲネラリッチ、イヴァン・ラツコヴィッチ、イヴァン・ヴェチェナイ、イリヤ・ボスィレ、マリヤ・ブルシッチ=コヴァチッツァ、ヴァンゲル・ノウモヴスキ「素朴な画家―ユーゴスラヴィアの11人―」ナーダ・クリジッチ「ユーゴスラヴィア:管見的印象記」大島清次「ユーゴスラヴィアの素朴芸術」遠藤望出品目録参考文献奥付編集:世田谷美術館(遠藤望)発行:世田谷美術館制作:印象社©1986 Setagaya Art Museum, Tokyo
刊行物
目次芸術と素朴Ⅰ―素朴派の系譜Ⅱ―近・現代美術と素朴(a)近代美術(b)現代美術(c)日本の素朴Ⅲ―原始美術と民族美術(a)原始美術(b)民族美術Ⅳ―子どもと美術(知恵おくれの人たちの作品を含む)〔原文ママ〕補遺―詩人の絵出品リスト参考文献奥付編集・発行:世田谷美術館表紙デザイン:福田繁雄制作:美術出版デザインセンター©1986 Setagaya Art Museum, Tokyo
ブログ
ゲスト:酒井忠康(当館館長)聞き手:門あすか(当館学芸員)開催中の企画展「開館30周年記念 コレクションの5つの物語」に関連し、当館の館長 酒井忠康へのインタビューをお届けいたします。2004年より当館の館長を務める酒井が、世田谷美術館のコレクションの魅力や特色と、世田谷美術館30年のあゆみについて語ります。ごゆっくりお楽しみください。企画展「開館30周年記念 コレクションの5つの物語」は、2017年1月29日(日)まで、ミュージアム コレクション展「ぜんぶ1986年―世田谷美術館の開館とともに」は、2017年4月9日まで開催しています。この機会に是非ご覧ください。※セタビPodcastingについて